ほめ放題応援上映&“すみ”まで語ろうティーチイン オフィシャルレポート
12月3日に開催された「すみっコたちほめ放題応援上映&“すみ”まで語ろうティーチイン付き上映会」のようすをレポート!
上映後のティーチインイベントでは作田ハズム監督と脚本を担当した角田貴志さん(ヨーロッパ企画)が登壇し、作品の”すみ”まで語りました。
映画公開から1か月。公開後の反響について、作田監督は「映画を観てくれた皆さんが素晴らしいコメントをSNSなどで書き込んでくれて、ものすごく嬉しいです。本当にありがとうございます!」と感謝。
「すみっコたちほめ放題応援上映」では、客席からたぴおかの登場シーンで「やってらんねー!」と声を合わせたり、すみっコの家を訪ねたぺんぎん(本物)を「いらっしゃい!」と招き入れたり、しろくまが寂しそうに涙を流すと「泣かないでー!」と励ましたり、マイすみっコや「くま工場長のほめ♡うちわ」と一緒に思い思いの言葉ですみっコたちを応援。
物語が幕を閉じると、色とりどりのサイリウムや応援グッズを振りながら、「ありがとー!」と大合唱が起こりました。
その後に行われた「“すみ”まで語ろうティーチイン」では、観客から寄せられた質問に作田監督と角田さんが答えるコーナーを実施しました。
とあるシーンでのざっそうの活躍について聞かれた作田監督は「すみっコたちが穴に入るところで『体の大きさからして、ざっそうは穴に入れるのか?』と…。穴を大きくすればいいだけの話だけれど、ざっそうの頭で穴をカムフラージュしたら面白いのでは?という思いつきから生まれました」と微笑ましいシーン誕生の背景を打ち明けました。
さらに、しろくまのつぎはぎのぬいぐるみに付いていたボタンの行方について、作田監督は「あのボタンは見つからないことに意味のある舞台装置だけれど、おもちゃ工場の中にあるのでは?」と考察。
角田さんは「もしかしたら再利用されて、他の誰かが使用している可能性も」と妄想すると、作田監督も「ボタンというすみっコキャラになるかも!?忘れられた、という意味ではすみっコになったと思いますから」と夢のある期待を語りました。
くま工場長のその後について、角田さんは「脚本執筆時はおもちゃ工場の気持ちが乗り移ったものだと考えていたけれど、映画でキャラクターとして生き生きしているのを見ると、あの後も動いているのでは?と。エンドロールを見ると映画館の館長になってみんなをお出迎えしているのかな?」と想像。
一方、くま工場長の褒め上手というイメージについて「作っているときはそうは考えていなかったけれど、皆さんからそのように言われて“なるほど”と思いました」と思いがけない設定だったと明かすと、角田さんも「作り手側は意識していなくても、観てくれた方がそれぞれの新しい印象で色付けしてもらえるのは嬉しいこと」と作品世界の広がりに喜びを見せました。
さらに工場がラストに観客に向かって微笑む演出について作田監督は「ひらめきとしか言えない」と笑いつつ、「最後に工場の笑顔が出ることによって、観客の皆さんが“ここが工場のその後の映画館なのかもしれない”と思ってくれたらと考えてはいたのですが、その場面で皆さんが“ありがとう!”と声をかけてくれて、(意図が伝わったことに対し)ついつい僕も“こちらこそ!”と言いそうになりました」と観客からの歓声に感激していました。
すみっコたちの「すごい!」と思うところは、「何をやってもかわいいところ。黙々と手を動かしているだけでもかわいい」(作田監督)、「一人だとネガティブだけれど、それをほかのコたちがほめたりしてそれぞれがお互いを認めあってすみっコの世界が成り立っているところがすごい」(角田さん)と返答。
泣く泣く削ったシーンについて聞かれると、「とんかつが大量発生したシーンのあとで、本当に本物?とぺんぎん?がすみっコたちに聞いて回っていて、『本物?』と聞かれたとかげが(本当は恐竜であることを内緒にしているから)微妙な表情をする、というシーンを削りました」と作田監督が明かすと、会場からは爆笑が。「やっぱりウケましたね!入れればよかったな」と悔しがる一幕もありました。
“推しすみっコ”の話題になると、角田さんは「難しいですが、脚本を書く上では、ざっそう。率先して行動してくれるから」。作田監督は「とんかつ。今回はとんかつの出番を多くしすぎてしまったかな?というくらい目立ちましたね。愛おしいです。」とメロメロの様子。
そして本作のテーマについて、角田さんは「元の役割がなくなった次はどうなるのか?そんなコを包み込むような話にできないかと」と明かし、作田監督は「“〇〇じゃなければいけない”からの解放。それを物語に落とし込んだつもりです」と明かしました。
最後に、作田監督は「公開前はこの作品を受け入れてもらえるのか心配でしたが、皆さんの懐の広さで受け止めていただき感動しています」と感謝。
角田さんは「僕は1作目に続いて2回目の参加ですが、それぞれ色の違う作品ができてたくさんの方に楽しんでもらえたようで嬉しいです。観るたびに新たな発見のある作品なので、映画館で何度も観ていただきたいです」と、さらなるヒットを祈願し、イベントは終了しました。
イベント終了後には、くま工場長が来場者をお見送りしました♪